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淫惨パッチと呼ばれる理由

2011年05月14日 21:09

 淫惨パッチとは、人間の三大欲求の一つの「性欲」を「ワイヤード」で充足することを目的に、軽力社が開発したパッチの俗称である。人間の男を愛し、肉体関係を持ってしまった戦乙女の心にちなんで、"戦乙女の黄昏パッチ"という名前が付けられているが、世間一般には淫惨パッチという俗称が有名である。

 淫惨とは造語であり、元となった言葉は陰惨である。国語辞典によれば
―"陰惨 [名・形動]暗くむごたらしい感じ。また、そのさま。"
であり、そこから類推するに淫惨とは、性的に陵辱され無惨なありさまを示すものであろう。そして、そのような不名誉な俗称で呼ばれるようになったのには、相応の理由があった。

 「ワイヤード」発足当初から、仮想世界の中での性交、いわゆるヴァーチャルセックス(以下、VSと略する)は行われてきた。初期の頃のVSは素朴な、いわゆるチャットセックスであり、お互いに淫らなテキストを送りあい、想像の中での性交を秘密裏に楽しむものだった。

 しかし、軽力社が開発した「感覚再現機」は仮想世界での感覚を現実にフィードバックさせる最先端の技術で、実際に相手が目の前にいるかのような錯覚を私たちにもたらすほどの精度を誇る。体温や息づかい、筋肉の収縮に至るまでほぼ完全に再現でき、様々な匂いまでリアルに再現され、本当の意味での性交・セックスが「ワイヤード」で可能になったと言っても過言ではない。

 だが淫惨パッチ以前のRoは正式にVSがサポートされていなかったため、性器の実装もされておらず、女性キャラクタの乳房を愛撫するのが限界であった。そこで淫惨パッチによって公式にVSに対応し、性器が全てのキャラクタに備わり、さらに性交に関するスキルが実装された。性交スキルは非常に数が多く、その詳細については別の機会に譲る。

 さらに大きな変更点として「ワイヤード」の性別と「リアル」の性別が強制的に一致させられたというものがある。これはゲーム上にプレイヤーの情報を重畳させるためであり、リアル化路線のもう一つの目玉でもあるが、これも割愛させていただく。

 問題なのは性交スキルが合意の上だけで使われるものではないということである。つまり和姦だけでなく、強姦もルール上可能となっていて、それが淫惨と呼ばれるようになってしまった最大の原因である。モンスターたちにも性交スキルは備わっており、女性キャラクタはモンスターとの戦闘に敗れれば、ほぼ間違いなく強姦される運命となっていて、淫惨と呼称するにふさわしい実状である。図.1に具体例を示す。


当ブログのイメージ

図.1:公式イベント「首都プロンテラ陥落」で広場防衛を行っていた精鋭女性クルセイダー部隊『ディバイン リリウム』の面々が敗北し、集団で種付け強姦されているのを写したもの。彼女たちは高位の避妊魔法を身につけていたため、女性キャラクタでありながら危険な殿を志願し、大勢の他プレイヤー達を救った。しかし次第に物量に押されはじめ、一人また一人と倒された端からそのまま犯されていった。ハイオーク達の超濃厚な精液と、底無しの性欲によって最終的にはメンバー全員が孕まされた。淫惨パッチの不具合により、VS中の「感覚再現機」の機能のオン・オフを切り替えることができず、仮想世界にだけ存在するハイオークという獣の性欲に48時間に渡って犯され続けた結果、現在『ディバイン リリウム』のメンバーの内の約75%が精神疾患を患っており、現在も治療中である。

 ゲームを起動しているが、別の用事でPCの前から離れていることをAway From Keyboard(以下AFKと略す)という。こうしたAFKをしている女性プレイヤー達の多くが、モンスターや悪質なプレイヤーによって自身のキャラクタを犯されている。本来ならば相手に性交を迫られた場合、抵抗したり逃げたりといった行動をプレイヤーはおこせるのだが、PCから離れているために何もできず、強姦者が合意のない性交スキルが成立するまで粘り強く何度もスキルを使用すれば、強姦できてしまうのである。

 こうした「ワイヤード」内での強姦件数は年々増加傾向にあり、法整備が待ち望まれている。遠距離恋愛のカップルが、距離的制約を超えてお互いの愛を育むことができるというポジティブな性愛は、裏返せば誰でもある程度好きなように強姦ができ、法的な罪に問われないお手軽な暴行手段でもあるということだ。

 首都プロンテラではパーティーを組もうと誘いを掛け、そのまま路地裏で輪姦して捨てていく”輪行”という行為が横行している。このままではいつまでたっても淫惨という不名誉を拭うことはできないだろう。


東雲桜花 著 "行き過ぎた「ワイヤード」と性の関係"より抜粋

当ブログにおけるRoの設定

2011年05月07日 19:32

Roとワイヤードの関係
 Roとは軽力社が開発し、200X年に正式サービスが開始されたMMORPGである。RPGといえば家で一人で遊ぶもの、という常識を打ち破り、瞬く間に日本のみならず世界中を熱狂の渦に巻き込んだ。情報・通信インフラの発達の寵児のように産まれた”Ro”は、二人三脚のようにお互いの発展を助けあい、成長した。

 日常のコミュニケーションから冒険まで、MMORPGがカバーする領域は幅広い。あまりの普及率から欠かせないインフラと化し、MMORPGをプラットフォームとしたネット空間を「ワイヤード」と呼称するようになり、世界は「リアル」と「ワイヤード」の2つが重畳する結果となった。”Ro”は「ワイヤード」のグローバルスタンダードとなり、その繁栄は永久に続くものと思われた。

 しかし、201X年には”Ro”はもはやグローバルスタンダードではなかった。後発の優れたMMORPG達にその座を取って変わられたのだった。「ワイヤード」というネットを活用した生活スタイルの概念は”Ro”だけのものではなく、他のMMORPGでも十分に活用できた。MMORPG黎明期に作られた”Ro”は古く、稚拙なプレイ体験はシェアの凋落を促した。

 そこで”Ro”を開発した軽力社は、苦肉の策として、差別化のために後発のMMORPGがどこも取り入れていない要素を実装することとした。それにともない、とある大学の研究室と共同研究を行い、”Ro”内での感覚を忠実に再現する「感覚再現機」を作成した。

 「ワイヤード」内での感覚を完璧に再現するリアルさによって、”Ro”は再び「ワイヤード」の主役となった。この成功によって軽力社は 『人々は「ワイヤード」での「リアル」を欲している』 という確信を抱き、以降その強化に務めることとなった。

性の実装がもつ問題
 生物の三大欲求は「食欲・睡眠欲・性欲」である。仮想世界「ワイヤード」で本質的に満たすことが可能なのは「性欲」だけ。そう考えるならば、性交や、妊娠・出産という行為が”Ro”内で可能になるのも必然であったのかもしれない。
 
 しかしリアルさを求めるあまり、強姦などの暴力行為も可能となってしまった悪名高い
「淫惨パッチ」(正式名称は「戦乙女の黄昏パッチ」だが、世間一般ではこちらの名が使われている。)は大きな社会問題となり、法整備が急がれているものの、企業の変革のスピードに法律の改正はなかなか追いつかず、犠牲者は泣き寝入りを強いられている。

 図.1にモンスター”ファブル”に強姦された女性のキャラクタを示す。一見して分かるように彼女は初心者であり、モンスターに強姦されるということ自体を知らなかった可能性がある。仮に知っていたとしても、Lvが低いうちは十分な避妊手段を取ることができず、無防備な子宮へ精液が注がれていただろう。初心者修練場で強姦等の注意を喚起し、避妊薬やペッサリーを初期所持アイテムとして渡しておくなどの細かな心遣いが必要ではないか。

 さらに、ゲームプログラムのバグであると思われるが、モンスターに強姦され望まぬ妊娠をしてしまったにも関わらず、それを祝福することを奨励するようなメッセージがワールド内に発信され、それを受けての心無いコメントが発信されたのが図.1から読み取れる。また同じくバグであると思われるが、射精された精液の量が異常なほど多く、濃度も高い。最弱モンスターの”ファブル”がこれほど強い生殖能力を持つとは通常考えづらい。急ピッチで進められたパッチの開発の弊害の証拠である。

犯された女性キャラクタ

図.1:ファブルに強姦され、妊娠してしまった女性のキャラクタ

 開発元の軽力社は「クルマにもデメリットはある。全てはトレード・オフだ」とコメントし、一部では行き過ぎといわれている性に関するリアル化を緩めるどころか強化する旨を発表している。どん底からの再生に「他を圧倒するリアル」が有効であった以上、その歩みを止めることは自殺に等しいという強迫観念があるのだろうか。

 人々は「ワイヤード」へ依存している。「ワイヤード」なしでは何をしていいのか分からないという答えが、広い年代に渡って大きな割合を占めている。新技術「感覚再現機」を利用した”Ro”が他を圧倒する「ワイヤード」空間である以上、危険性を知りながらも人々は”Ro”から離れることはできずにいる。

 そして今日もまた”Ro”の「ワイヤード」のどこかで、悪質なプレイヤーやモンスターに犯され、望まぬ妊娠をしてしまう女性がいる。 サーバー負荷軽減のため、キャラクタは一人しか作成できず、まさに自分の分身である。それが犯され、孕まされるのである。

 近年では社会システムの効率化の観点から、「ワイヤード」内での名前を「リアル」の名前と一致させる法律が提出されたが、もし成立してしまったら辱めの影響が「リアル」にまで及んでしまう。「ワイヤード」内でレイプされたというショックを隠して生活している人たちの心の安寧はどうなってしまうのだろうか。

東雲桜花 著 "行き過ぎた「ワイヤード」と性の関係"
より抜粋